尾崎 哲(オザキテツオ) 専門分野:プラズマ計測、研究内容:LHDにおける中性粒子計測と高エネルギーイオンの挙動解明、

研究内容およびこれまでの成果(主要な発表論文)

  1. 飛行時間方式中性粒子測定システムの開発

    LHDにおいて、イオン温度計測、NBIおよびイオンサイクロトロン加熱粒子の閉じ込め測定に欠かせない測定器である。われわれは昨年度に引き続いてイタリアのフラスカチ研究所と共同で当該研究所に於いて開発された飛行時間方式中性粒子分析測定器をLHD用に改良するとともに,LHDに用いる全体のシステムの開発を進めてきた。飛行時間方式中性粒子分析測定器ではプラズマから飛来してくる中性粒子をガスセルでイオン化し、(粒子の種類にかかわりなく)そのエネルギーを円筒電極で分離したあと、飛行管において飛行時間により粒子種を弁別する。同時計測を行うため、必然的に中性子などの放射線に起因するノイズに対して除去できる性質を有する。一方,LHDに用いる全体のシステムの開発を進めてきた。このシステムは分析器を中心に駆動装置,真空排気装置及びデータ処理装置からなる.駆動装置は分析器を旋回半径4mで水平方向に33度垂直方向に27度まで振ることができる.データ処理装置は3粒子弁別回路からの信号をスケーラーで計数しカマックを用いて制御される.すべてのシステムは遠隔操作が可能なように設計されている.

  2. 中性粒子分析器を用いたLHDプラズマの高エネルギー粒子計測

    飛行時間方式中性粒子分析器は水平ポート10-Oに設置されポート面に対してマイナス2度からプラス32度までの水平スキャンが可能で、これは磁気軸3.6mの標準磁場配位において、視線と磁気軸とのなす角度が95度から35度に相当する。ICHおよびNBI印加時の高エネルギー粒子の角度依存性を調べた。ECHで生成したプラズマにNBI#2とICHを印加して200kJ程度のプラズマを生成する。その後NBI#2は300ms入射後停止してそのあとはICH単独で1秒間プラズマを維持した。そのときの角度依存性は同一条件でプラズマを生成し測定器を移動させてショット毎にとった。NBI単独の場合、NBIが接線入射であることから、エネルギーが高い粒子は小さいピッチ角に集中するため大きなピッチ角を持った粒子は少ないことがわかる。一方ICH印加時には70度付近にとくに高エネルギー領域で角度分布のピークが観測される。ICHのピッチ角がNBIのそれより明らかに大きいことが確かめられる。ICHの加速方向である磁気軸に直角の方向ではなく70度付近にピークが見られることは計算でも確かめられている。

  3. 2次元シリコン障壁型中性粒子分析器の開発

    飛行時間方式の中性粒子分析器が稼動しているが、装置が大掛かりなため研究テーマにより測定場所を変えるなどの自由度が小さい欠点がある。このため比較的小型であり、中性ガス、高電圧などが不用で取扱の容易なシリコン検出器タイプの中性粒子測定器を導入することただ、この検出器は高エネルギーの粒子しか測定できず、粒子種を区別できない欠点があるため、NBI減速粒子など粒子種が限定されエネルギーの十分高い粒子の測定にテーマをしぼって検討し、研究実績のあるオークリッジ研究所と協力研究を行うことにした。オークリッジのライオン氏と総研大の学生ゴンチャロフ氏とで研究が進められLHDでの測定が開始されている。現状では粒子数が少なく議論に耐えうるだけのスペクトルは得られていないが、測定システムとしては十分に機能しており、今後、単一ショットでエネルギースペクトルの2次元分布の時間的変化を追跡できることから、NBIおよびICHプラズマにおける捕捉粒子を含む高エネルギー粒子の軌跡を把握でき、既に稼動している飛行時間方式中性粒子の結果との比較も可能になる。

  4. 高速点火実験用粒子分析器の開発

    http://www.nifs.ac.jp/crp/laser_o.pdf

    を参照のこと。

  5. 主な発表論文等

    http://article.nifs.ac.jp/article/mylist?pid=82

    を参照。